嘉手納基地火災、三連協が現場を視察 焦げ臭さ充満、ほぼ全焼 県も立ち入り検討


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火災でほぼ全焼した危険物取扱施設を前に、米軍から説明を受ける関係者ら=25日午後、米軍嘉手納基地(第18航空団広報局提供)

 【中部】沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協、会長・當山宏嘉手納町長)は25日午後、米軍嘉手納基地に立ち入り、22日に火災があった危険物取り扱い施設の状況を確認した。消防担当で現場を指揮したグレンジャー大佐から事故の詳細や対応について説明を受けた。県も立ち入りを申請する方向で検討しており、26日にも対応を決める。

 立ち入りは三連協の申し入れで実現したが、調査ではなく、現場視察のみだった。當山町長によると、米軍は今後、安全委員会を設置し原因究明を急ぐという。三連協はあらためて米側へ通報体制の迅速化や再発防止を求める方針だ。

 火災のあった施設は倒壊の恐れがあるため立ち入りが制限され、首長らは約10メートル離れた場所から確認した。施設はほぼ全焼で、一帯には焼け焦げた臭いが漂っていたという。

 生物環境工学の専門家が大気のモニタリングを実施し、基地外に塩素ガスやその他の有害物質が流出した事実はなかったと説明した。排水路でも異常は確認されなかったという。

 地元自治体への通報が遅れたことについて、グレンジャー大佐は「間違った情報で混乱を与えないように、調査で具体的な影響を確認できてからの対応になった」と説明したという。