知事、北部基幹病院計画は「早期に協議会、最終判断」 県議会代表質問


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 沖縄県議会6月定例会は8日、代表質問最終日となる2日目が開催された。名護市の県立北部病院と北部地区医師会病院を統合する「北部基幹病院」設置計画で、玉城デニー知事は、医師や看護師ら職員の確保に課題があるとして「基幹病院の基本的枠組みに関する協議会を早期に開催し、そこで最終判断し、統合に向けた作業を始める」と述べた。平良昭一氏(おきなわ)への答弁。

 10月に予定されている第44回沖縄の産業まつり(同実行委員会主催)について嘉数登商工労働部長は「開催する方向で調整している」と述べた。来場者の事前健康確認の呼び掛けを実施するなどの予防策を講じた上で、一部オンライン開催や分散開催など開催方法を見直すとした。當間盛夫氏(無所属の会)への答弁。

 玉城知事の公約である中高生のバス通学無償化についての質問も出た。県は10月の支援開始に向け準備を進めているとした上で金城弘昌教育長は「対象者は約5700人を見込んでいる。これまでのバス通学支援制度と比べ対象者が大幅に増えるので、支援を必要とする全ての生徒に情報を行き渡らせることが課題だ」と語った。瑞慶覧功氏(てぃーだネット)への答弁。

 玉城知事が公務でオンラインイベントに参加した件で、赤嶺昇県議会議長は8日、「この件は議長で対応を検討していきたい」と述べた。


 

<安全保障・基地>敵基地攻撃能力 ミサイルに反対

 渡久地修氏 県内自衛隊基地に米軍のミサイルを配備する危険性は。

 金城賢知事公室長 県内での敵基地攻撃能力を有するミサイル配備計画は、さまざまな問題があり、県民の理解も得られないことから断固反対する。

 當間盛夫氏 翁長雄志、玉城デニー県政で普天間移設計画に関する裁判費用と県ワシントン事務所の費用は。

 金城知事公室長 現在までに発生した裁判の費用総額は7648万円となっている。ワシントン駐在事務所については2020年度予算は旅費と事務所家賃、運営経費、活動支援金合わせて計7373万円だ。駐在員の人件費は個人情報保護の観点から回答を差し控える。

<平和行政>32軍壕保全公開 専門家で検討委

 玉城ノブ子氏 戦争遺跡の保存・継承について今後の課題と取り組みについてうかがいたい。

 金城弘昌教育長 戦争遺跡は沖縄の歴史の正しい理解のため欠くことができず、保存・継承することは重要だ。県教委としては、地域の文化財は地域で守るという観点から当該市町村が主体となって保存などを図る必要があると考えており、引き続き市町村教育委員会の文化財指定への取り組みについて助言していく。

 金城勉氏 第32軍司令部壕の保存・活用について県の方針は。

 名渡山晶子子ども生活福祉部長 第32軍司令部壕は、住民を巻き込んだ熾烈(しれつ)な沖縄戦の軍事的中枢施設であり、戦争の不条理さや残酷さとともに平和の尊さを次世代へ伝える上で重要な歴史的価値を有する戦争遺跡だ。県としては、専門家らによる新たな検討委員会を設置し、司令部壕の保全公開や平和発信の在り方などについて那覇市と共に検討したい。