米軍が本紙に撮影中止要請 キャンプ・ハンセン前 取材一時中断


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基地の外で撮影していた報道陣に身分の提示などを求めてきた米軍関係者ら=9日午前10時59分ごろ、金武町の米軍キャンプ・ハンセンのゲート前

 【金武】在沖米海兵隊憲兵隊が9日午前10時10分ごろ、金武町金武の米軍キャンプ・ハンセンゲート前の公道で、取材中の本紙記者に対し「安全防護のため」として撮影中止を求めた。本紙は同基地内での新型コロナウイルス感染者確認の情報を受け、同基地ゲートの様子を取材していた。本紙は憲兵隊の要請に応じなかった。

 本紙記者は米軍提供区域外の国道329号そばの歩道から、フェンス越しに基地内の様子を撮影していた。憲兵隊はゲートから出て、歩道上で本紙記者に撮影中止などを求めた。憲兵隊は約1時間にわたり、断続的に記者への質問を行った。憲兵隊の質問を受けている間は取材が中断した。

 写真データの提出や閲覧を求めたり、カメラのレンズを手で遮ったりするなど直接的な取材妨害はなかった。米軍基地に関する問題に詳しい新垣勉弁護士は「米軍基地の外で取材活動を妨害することは、明らかに違法な行為だ。復帰前の米施政権下の感覚で行われており、厳しく批判されるべきだ」とした。

 車道を挟んで反対側で取材していた沖縄テレビ通信員に対しても、憲兵隊は社名の確認などをした。本紙は在沖米海兵隊に意図などを問い合わせたが、9日に回答は得られなかった。