「連休も近場で我慢」不安と警戒じわり 沖縄感染拡大、子どもにも


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 新型コロナウイルスの感染者が県内で172人、在沖米軍基地内で205人に急増する中、県は警戒レベル引き上げを見送り、第1段階の「発生早期」に据え置いた。一方で「GO TO トラベル」キャンペーンの効果もあり、県内の行楽地は県民や観光客であふれる。那覇市では幼児の感染者が確認された。県外などからの「移入例」による感染から、家庭内での感染が広がりつつあり、県民の警戒感は増している。

国際通りを歩く観光客ら=24日午後、那覇市久茂地

 米軍関係の新たな感染者が確認された、キャンプ・ハンセンがある金武町。同町観光協会の山川宗仁会長は「基地内は感染防止対策を徹底していると聞くが、やはり町内の飲食店などへの風評被害のようなものはある。親が子に対し、店に行かないように言っていると聞く。学生の利用客も減っている」と語った。「現時点で何人が回復したかなど、細かな情報がほしい」と力を込めた。

 米軍関係者の感染拡大に、基地内のサービス部門を運営するAAFES(米陸軍・空軍エクスチェンジサービス)に勤める40代従業員は憤る。基地従業員へのPCR検査も始まるが「1回の検査では意味がない」と述べ、継続した検査を求めた。その上で「このままでは基地から県民への感染は増える恐れがある。県は基地従業員の基地内への出入りを禁止にするなど、強制力のある働き掛けをしてほしい」と訴えた。

 県内では10歳未満の感染が3人確認されるなど、新型コロナの影響は子どもたちにも広がる。浦添市内の公園で5歳の息子を遊ばせていた20代女性は「小学校やこども園で陽性が出ているのは心配だ。連休なのでやんばるなど遠くに遊びに行きたかったが、近場で我慢している」と不安そうな表情を見せた。

 宮古島市に住む友人を訪ねてきた、那覇市の30代男性は「自分が無症状で感染させてしまったらと思うと(宮古に)来ない方がいいかなとも思った」と話す。一方で「自粛生活が続く中で、少し息抜きもしたい気持ちもある」と明かした。米軍基地内や本島内で新型コロナの感染者が増加する現状を踏まえ「島の皆さんが不安に思う気持ちも分かる。滞在中、外を出歩くのはやめようと思う」と語った。