感染拡大で離島に強い危機感 石垣市は独自に店名公表「大クラスター形成を懸念」


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沖縄県は4日、宮古島市内で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したと認定した。石垣市でも7月30日にクラスターが発生している。いずれも接客を伴う店舗で発生しており離島でも「夜の街」に関連する感染拡大が続いている。両市の医療体制では対応できる病床数が逼迫(ひっぱく)している。竹富町西表島でも初めて感染者が確認され、小規模離島にも感染が広がる中、先島自治体は危機感を強めている。
 
 石垣市は4日、会見を開き、市美崎町でクラスター(感染者集団)が発生したキャバクラ店などの店名を独自に公表した。市も同意は得ていないが、新型コロナの感染が広がりかねないとの懸念から異例の措置に踏み切った。

 クラスター発生店として市が独自に発表したのは市美崎町の「石垣島キャバクラ Aclub」。4日までに従業員と客の計11人の感染が確認された。
 同店に客として訪れ、感染が確認された女性客が従業員として働く美崎町の「Show Lounge 舞」も同日に別の女性従業員の感染が確認されたため、店の同意を得た上で店名を公表した。

 「Aclub」については、公表主体である県もクラスター確認当初から公表に向けて店側と交渉を続けていたが、同意が得られないとして公表していなかった。店側は独自に来店客に連絡するなどの対応を取っていた。だが美崎町の別店舗に感染が“飛び火”した格好となり「美崎町の大きなクラスターが形成されつつある可能性がある」(中山義隆市長)として、来店客らに早期受診を促すため市独自の公表に踏み切った。

 県の糸数公保健衛生統括監は店の同意を取ることについて、信頼関係による情報収集の重要性を挙げ「情報が取れなくなると今後の対策に影響する」とした。