ドローン取材、シュワブ工事を刻々 実弾演習の自然被害も伝え


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 琉球新報は基地に関する報道で機能強化や被害の実態を伝えるために小型無人機(ドローン)を活用している。特に今回規制対象に指定されたキャンプ・シュワブの海域では、名護市辺野古の新基地建設現場に近寄って工事の様子を撮影し、進展状況や違法性を報じてきた。キャンプ・ハンセン上空から山火事の跡を撮影するなど基地被害の実態も伝えている。

名護市辺野古の新基地建設に向け投入される土砂。土砂投入の開始翌日の紙面に掲載した=2018年12月14日、キャンプ・シュワブ沿岸部(小型無人機で撮影)
新緑に覆われる恩納岳。一部では米軍演習による火災発生で山肌がむき出しになり、低木や草などしか生えていないのが分かる=2017年3月20日(小型無人機で撮影)

 辺野古新基地建設で辺野古沿岸部への土砂投入が始まった2018年12月14日にもドローンでその様子を撮影した。翌15日付1面には、ダンプトラックの荷台から土砂が滑り落ちる様子を捉えた写真を掲載した。ドローンを海域に近づけることができなくなれば、工事の状況に肉薄した写真を撮ることが難しくなる。

 キャンプ・ハンセンの演習場に使われている恩納岳を上空から撮影したこともある。ドローンを使って県内の風景を紹介する「うるま紀行―鳥の目ショット」の一環だ。赤土の山肌がむき出しになっているさまが写っており、米軍の実弾演習が自然環境に与える影響を見て取ることができる。

 一方、米軍普天間飛行場や嘉手納基地ではメーカーの自主規制でドローンを飛ばすことができない。

 今回の規制対象ではないが、北部訓練場での新たなヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設や伊江島補助飛行場での着陸帯拡張工事についてもドローン撮影で状況を伝えてきた。今後、防衛省は規制対象を拡大していく方針を示しており、これらの取材にも影響する恐れがある。