「医療、最も深刻な段階」 感染急増の沖縄、あす警戒レベルの引き上げ判断 


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会見で記者の質問に答える玉城デニー知事=11日、県庁(代表撮影)

 玉城デニー知事は11日、新型コロナウイルス感染症対策について記者会見を開き、政府の対策分科会が示した指標に準じて県の警戒レベル判断指標を見直した結果、「医療提供体制は(最も深刻な)第4段階にあると受け止めている」との認識を示した。ただ、県民や事業者への要請を含む警戒レベルを現在の第3段階(感染流行期)から第4段階(感染蔓延(まんえん)期)への引き上げは見送った。13日に対策本部会議を開いて協議する考えを示した。一方、新たに64人の感染が確認され、県内での感染者数は計1242人になったと発表した。 

 人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者は42.90人で、11日連続で全国最多。米軍関係の新規感染者は嘉手納基地とキャンプ・コートニーで1人ずつの計2人だった。米軍関係の感染者は累計で317人。

 玉城知事は「医療提供体制の強化」として病床確保の目標数を現計画の200床から425床に引き上げる方針を示した。無症状者や軽症者用の宿泊療養施設も現在の210室を12日からは340室に増やす。本島中部地域での設置も検討している。

 浦添市内の公立小学校の感染者数は児童と教職員合わせて計9人となり、県はクラスター(感染者集団)が発生したと断定した。県内で発生したクラスターは10例となった。

 県によると、11日正午現在、感染者のうち医療機関への入院待機者は301人。うち3分の1の約100人が重症化リスクの高い65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人と県は推定している。玉城知事は「感染者増加に伴って重症者が増加しており、大きな危機感を持っている」と語った。

 警戒レベル引き上げについては13日の対策本部会議で話し合うが、引き上げを決めたとしても部分的な自粛要請などを検討するとし「ロックダウン(封鎖)することにはならない」と述べた。

 玉城知事は、PCR検査を実施できる医療施設を増やしたい考えで、現在クリニックなどと107件の契約を進めている。準備が整い次第、公表する。那覇空港での検査態勢についても那覇検疫所に検査機器が設置され、8日から空港で抗原検査ができる態勢が整っていると説明した。