沖縄伝統芸能「箏」へ注いだ情熱 20年の歩み一冊に 保存会が記念誌発刊


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沖縄伝統音楽箏曲保存会「創立20周年記念誌」の発刊作業をした宮城光子会長(前列中央)ら=5日、那覇市の琉球新報社

 沖縄県指定無形文化財「沖縄伝統音楽箏曲」保持者でつくる沖縄伝統音楽箏曲保存会(宮城光子会長)がこのほど、会の「創立20周年記念誌」を発刊した。会の20年間の歩み、保持者公演や周年記念式典のプログラム、歴代会長の回想などを、カラー写真も交え、258ページに収めた。

 記念誌は、第6代会長の宮城を委員長とする編集委員会が作業にあたった。副委員長を山内好子、野里葉子が務め、事務局を比嘉淳江、玉城弥生、末吉弘子が受け持った。また、四つの部会の内、歴代会長回顧録などを作成する部分の委員を第5代会長の赤嶺弘子らが担った。同書は県内の公立図書館や公文書館などに寄贈する。

 「沖縄伝統音楽箏曲」保持者の認定は、1972年に始まり、25人が認定された。沖縄伝統音楽箏曲保存会は、99年の第4次認定を機に、琉球箏曲興陽会、琉球箏曲保存会、琉球伝統箏曲琉絃会の3団体が結集し設立され、初代会長に棚原靖子を選出した。設立当初に理事を務めた宮城会長は「会の活動や設立背景を知る人が健在な内に記念誌を作りたかった。会員の協力のおかげで実現できた」と振り返った。「すでに亡くなった保持者41人を顕彰する演奏会を年度内に開きたい」とも語り、次の活動に意欲を燃やした。