中部病院で入院患者1人感染 一般的な肺炎と判断後、感染判明 職員18人自宅待機


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県立中部病院

 9日に沖縄県立中部病院に入院した50代女性が12日までに、新型コロナウイルスに感染していたことが判明した。病院は肺炎像を認めたがPCR検査を見送り、一般病棟への入院を決定した。結果的に感染疑いのある患者を受け入れた。県内でも市中感染が広がる中、院内感染のリスクが高まっている実態を浮き彫りにした。

 県によると、女性は9日に救急を受診した際には発熱や咽頭痛はあったが、せきなどの気道症状は強くなかった。CT検査で肺炎像は確認されたが、これまでの新型コロナウイルスによる肺炎症状と比べ、疑うような画像ではなく一般的な肺炎と判断し、PCR検査はしなかった。

 しかし、女性が入院した後、新型コロナウイルス感染者との濃厚接触が分かり、急きょ抗原検査を実施した。入院後に女性と濃厚接触した中部病院のスタッフ18人の2週間自宅待機や、同室だった患者3人を感染症病床に移転させる対応に追われた。

 今回の事例について県病院事業局は院内感染は否定した上で「非典型的。典型ではなかった。十分に専門家の目を通して、クリアできなかった。CT検査を見ているプロも疑えなかった」と説明し、特異例として「注意喚起の意味で発表した」と述べた。