「陰性でも感染の可能性」PCR検査の2つの限界 無症状者も注意を


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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、沖縄県内ではPCR検査の検査数が増えている。県はこれまで感染が確認された患者の濃厚接触者を追跡しPCR検査を受けるよう促してきたが、今後は重症リスクの高い人を優先して実施する方針を示した。濃厚接触者が検査で陰性になったとしても、感染リスクが全くないわけではない。新型コロナウイルスは潜伏期間が10日程度あるとされており、無症状で人にうつす場合もあるため注意が必要だ。

 7日、県庁で開かれた知事会見に同席した県立中部病院感染症内科の高山義浩医師は、PCR検査の二つの限界を指摘した。無症状の場合は感度が落ちることと、早期に検査することで偽陰性が出る可能性があることだ。高山医師は「PCR検査で陰性だったから大丈夫ということではない」と強調。その上で「自分が感染したかもしれない、濃厚接触者かもしれないと思ったら、少なくとも14日間は外出を自粛し、マスクと手洗いを心掛けるのが一番の予防策だ」と述べた。

 県の糸数公保健衛生統括監は「PCR検査で陰性であっても感染している可能性は残る。できるだけ自宅に待機して人に接しないよう、保健所から指導している」とした。

 新型コロナ感染者の濃厚接触者が、PCR検査で「陰性」の結果が出た後、自らの接触者に「陰性なので安心してください」と連絡する事例も確認されている。陰性だった場合でも、保健所の指導に従い2週間の自宅待機が必要となる。

 医療従事者らは、不要不急の外出を自粛し、3密を避ける取り組みを続けることで、感染者数は減っていくと予測する。