FC琉球、甲府の術中に 連勝ならず1-2 堅守からの速攻決められ


社会
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FC琉球―ヴァンフォーレ甲府 後半、好セーブを見せる琉球GKのダニー・カルバハル(中央)=12日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(新里圭蔵撮影)

 サッカー明治安田J2の第11節は12日、各地で行われ、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでヴァンフォーレ甲府と戦い、1―2で敗れた。2勝5敗4分けで勝ち点は10。順位を18位に落とした。ホーム初勝利はならず、連勝を伸ばすこともできなかった。新型コロナウイルス対策としてホーム戦はリモートマッチ(無観客)で行われた。次戦は16日午後7時から、群馬県の正田醤油スタジアム群馬でザスパクサツ群馬と戦う。

(1)タピスタ
甲府 2 0―0 1 琉球
4勝   2―1   2勝
6分け1敗      4分け5敗
(18)       (10)
▽得点者【甲】ラファエル(1)太田(3)【琉】阿部(PK)(5)

 【評】琉球は前半からボール支配率で上回ったが、守を崩せなかった。一方、速攻からシュートを打たれる場面が多かった。後半7分、CKから頭で決められると、勢いづいた甲府を止められずに4分後にも失点した。後半24分にPKをもらい阿部拓馬が返したが、追加点は奪えなかった。

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<ハイライト>

敵の術中はまる

 甲府の術中にはまった。前線の狭いスペースでも細かくパスを回して崩すのが琉球の身上。しかし甲府の5―4―1の守で強みのパス回しを発揮する位置まで上がれない。ボールを回している時間帯が増えると、たびたび奪われ速攻を許した。樋口靖洋監督は「本来(ボールを)動かしたいところで守備の背後を取ることができなかった」と悔やんだ。

 前半は甲府の速攻にも守護神ダニー・カルバハルが好セーブして耐えたが、後半7分にセットプレーで失点すると一気に流れを持って行かれた。SBの攻撃参加といった相手の変化に対応が遅れ、立て続けに失点。樋口監督は「踏ん張らないといけなかった。これでは自分たちのゲームをつくれない」と反省した。

 後半24分に風間宏矢が倒されてPKを獲得し、阿部拓馬が冷静に決めて1点を返した。ただ、最後まで守をこじ開けられず、終わってみるとシュート数は相手の3分の1の4本、CKは3本で半分以下だった。

 けが人も抱えた中で連戦が続く。上里一将主将は「いるメンバーで苦しみながらも自分たちのサッカーを貫いて勝っていきたい」と次戦に目を向けた。 (古川峻)

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リズム乗れず
 樋口靖洋監督(琉球)の話 今季ホーム初勝利ができず残念。対策をされた中でボールを持たされた。リズム、ペースをつくれず守備の背後を取れなかった。途中でボールを奪われてカウンターを受けた。連戦が続くのでチャレンジする気持ちでアウェーを戦う。

底上げできた
 伊藤彰監督(甲府)の話 我慢する時間もあったが、守備でプレッシャーを与えることができた。後半、右サイドの動きを変えて守備の裏を狙った。そこから2点目を取れたことはよかった。チーム全員で戦っている。チームの底上げができたいいゲームだった。