那覇軍港の返還はいつになる?  移設工事の長期化避けられず 2036年度以降か


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 那覇軍港の移設・返還時期については、2013年4月に日米両政府が合意した現行計画で、約15年半の工程を経て「28年度またはその後」と記された。松本哲治浦添市長が「北側案」の受け入れを表明し計画はようやくスタートラインに立った形で、今後スムーズに進んだとしても、単純計算で移設・返還は36年度以降になる。返還期日が30年代にずれ込んでいる名護市辺野古の新基地建設と同様、長期化は避けられない情勢だ。

 那覇軍港に関する現行計画では移設・返還までに、環境影響評価(アセスメント)や設計に5年、県知事の埋め立て承認手続き1年、埋め立てなど工事に9年、米軍への提供手続き半年―の計15年半というスケジュールが想定されている。

 防衛省によると、沖縄防衛局は18年3月に環境アセスの最初の段階に当たる「配慮書」の作成に着手した。しかし那覇軍港の配置場所が固まらない中で作業を進めるのは困難だと判断し、今年3月に委託業者との契約を打ち切っている。

 松本市長の受け入れ表明で県、那覇市、浦添市、国の足並みがそろったが、配置に関する協議は今後具体化する。そのため、9月末で締め切る政府の21年度予算概算要求に環境アセスなど必要経費を計上することは厳しい状況とみられる。

那覇軍港