仲井真元知事が沖縄県批判の陳述書 国が取り消し請求に引用 辺野古埋め立て承認撤回で


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仲井真弘多元知事

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、県の埋め立て承認撤回を巡る国土交通省が取り消した措置に関し、仲井真弘多元知事が2018年9月、県による撤回から3日後に沖縄防衛局の主張を補強する形で県の撤回を批判する陳述書を出していたことが30日までに分かった。31日で撤回から2年を迎えるが、国と県の裁判闘争が続いている。

 仲井真元知事は陳述書で「辺野古に基地を造らせたくないという政治信条、または選挙戦略を基礎に承認を撤回することは、行政の長としてあってはならないことだ」と述べている。

 撤回について「政策的には全県的な基地の整理・縮小、跡地利用計画などに支障を生じさせ県民に甚大な損害を与える」「適法なプロセスで進められてきた手続きを、政治的な立場のみを根拠に否定し、わが国の地方自治行政の法的安定性を著しく損なう」などとも批判している。陳述書は18年9月3日付。全9ページで、最後に仲井真元知事の署名と印鑑が入っている。

 仲井真元知事は現職だった13年12月、埋め立てを承認した。14年の知事選では翁長雄志前知事が仲井真氏を破り初当選した。

 18年8月の翁長前知事の死去後、知事不在の中で謝花喜一郎副知事は承認を撤回し、軟弱地盤や活断層の問題などを挙げて埋め立ての条件を失っていると説明した。

 防衛局は承認撤回を取り消すよう国交省に請求をした際、撤回は違法だとする自身の主張を補強するための証拠書類として仲井真元知事の陳述書を引用した。その後、県は撤回取り消しに対抗して二つの訴訟を起こした。
 (明真南斗)