辺野古新基地の合意経緯で事実誤認か 自民総裁選出馬の菅官房長官 沖縄振興策なのに基地負担軽減とも


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自民党総裁選への出馬会見に臨み、辺野古新基地建設について首相就任後も建設を進める考えを強調する菅義偉官房長官=2日

 【東京】菅義偉官房長官は2日の総裁選への出馬会見で、辺野古新基地建設について「辺野古に移設することで普天間飛行場の危険除去が実現できる。そうした中で進めていることもぜひ理解いただきたい」と述べ、首相就任でも引き続き建設を進める意向を強調した。名護市辺野古への移設に加え「米軍の3分の1が沖縄から海外に出て行く。そうしたことをしっかり進めていく」と決意を示した。
 
 ただ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について「地元の市長、県知事とも合意した」と従来の見解を改めて披露した。だがこれは正確ではない。当時の稲嶺恵一知事は「軍民共用化」と「15年使用期限設定」の条件付きで合意し、閣議決定された。その後、この条件は外されて新たな閣議決定がなされており、現在の辺野古移設が沖縄側の合意に基づき進めているという誤解を与える内容となっている。

 沖縄の基地負担軽減担当相としては「北部訓練場、最も大規模な返還をはじめ目に見える形で実現をした。基地負担軽減担当相になって始めたのが(那覇空港の)第2滑走路の建設だ」と成果をアピールした。ここでは沖縄振興として進められたはずの那覇空港拡張を基地負担軽減の成果として強調している。
【琉球新報電子版】