辺野古新基地 設計変更申請の告示・縦覧始まる 軟弱地盤の詳細なし 28日まで意見募集


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局が4月に県に提出した設計変更申請書について、県は8日、申請内容を公開し県民ら工事で影響を受ける人から意見を募る「告示・縦覧」を開始した。期間は28日までの3週間で、県庁や名護市役所など8カ所で閲覧できる。県海岸防災課のホームページでも公開されている。申請書には軟弱地盤の具体的なデータが示されず地盤改良工事の詳細な説明もないなど曖昧な点もあり、識者らは問題点があると指摘している。

 「告示・縦覧」は公有水面埋立法で規定されている手続きで、工事が実施されることで影響を受ける人は誰でも意見を申し立てられる。集まった意見は県が変更申請の可否を決める際に判断材料の一つとなる。

 申請書は添付図書などを含めると全部で約2200ページにも及ぶ。申請内容によると、埋め立て面積は152万4700平方メートル余。防衛省が昨年示した試算では、新基地の完成までに12年の期間がかかるという。

 今回の申請には既に着手済みの工程も含まれている。国は県の承認を受ける前から当初計画の内容を変えて工事を進めていた。これに対して県は順序変更には知事の承認が必要になると指摘してきた。だが国側は「(県への)変更承認申請は必要ない」などと主張していた。

 県は今後、申請書の内容を精査する。縦覧で寄せられた利害関係人からの意見に加え、関係市町村などからの意見も踏まえて申請内容を判断していく。

 最終的な結論が出るのは、早くても来年1月下旬以降になる見込みで、年度をまたぐ可能性もある。

 新基地建設反対を掲げる玉城デニー知事は8日、本紙の取材に対し「我々は厳しく精査をするということで臨む」と答えた。玉城知事は申請に応じない構えだが、その場合は法廷闘争に発展するとみられる。