菅氏「新政権も辺野古推進」 自民総裁選討論 3候補「移設堅持」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
自民党総裁選の公開討論会に出席した(左から)石破元幹事長、菅官房長官、岸田政調会長=12日午後、東京・内幸町の日本記者クラブ

 【東京】自民党総裁選に立候補した石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長は12日、日本記者クラブ主催の公開討論会に出席した。辺野古新基地建設について、菅氏は「普天間飛行場の危険除去を考えたときに、辺野古建設は進めていくべきだ」と述べ、新政権を担っても辺野古移設を推進していく方針を明示した。石破氏、岸田氏も現在の新基地推進の立場で、3候補とも辺野古移設堅持の姿勢となった。

 菅氏は「(普天間飛行場の)周りには住宅が密集している。その危険除去のために、県内に移そうということで辺野古移設は決まってきた」と強調した。移設決定の過程について「地元の知事も市長も合意をしてくれた」と述べたが、合意時に沖縄側が付した条件が説明もなくその後撤回された経緯には言及せず、地元合意を強調する従来の説明を繰り返した。

 さらに安倍政権で埋め立て承認を取り付けたことも強調。在沖米海兵隊のグアム移転を念頭に、「米軍が沖縄に3万人ぐらいいるが、3分の1が日本から出ていく。そうしたことを進めていきたい」と述べた。

 石破氏は「なぜ辺野古かというと、あそこしか受け入れてくれる所はなかったから」と述べ、党幹事長時に、県選出・出身の国会議員らに移設を容認させた経緯について「党が決めたことで、彼らに責任を負わせたくなかった」と説明した。その上で、普天間の危険除去や防衛力維持の文脈で、普天間飛行場の米軍機の本土移駐や新基地の自衛隊管理による共同使用、自衛隊の高速輸送艦や輸送機配備による米軍運用の補助などの推進を挙げた。

 辺野古埋め立て予定海域の軟弱地盤については「きちんと科学的に検証はやる」と述べた。

 外相経験のある岸田氏は「他に代替案があるなら考えてみる必要もあるのかもしれないが、私は今、代替案は思い当たらない」と述べ、現行の辺野古移設案しかないとの立場を示した。

 その上で「普天間の危険を一日も早く除去する方向性は引き続き追求していかなければならないのではないか」と話した。