辺野古の地盤改良工事に作業船「1日100隻」 防衛省想定、市民は安全性に疑義


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埋め立てや護岸工事が進められる新基地建設現場=3日午後、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)

 【東京】防衛省は24日、名護市辺野古の新基地建設に関連し、大浦湾側にある軟弱地盤の改良工事に従事する作業船が、最大で1日当たり100隻程度になると見込んでいることを明らかにした。大浦湾側は汚濁防止膜が張り巡らされ、航路も制限されている。土木技師で、沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は「今でも混み合って見えるのに、施工区域内に100隻が集中するのはありえない」と、工事の安全性や環境保全の観点から疑問視した。

 同日、国会内で開かれた日本自然保護協会主催の政府交渉で、防衛省の担当者が答えた。

 防衛省は作業船を補助する小型船舶や資材運搬船を含めて最大で1日当たり100隻を想定している。北上田氏によると、作業船とは別に警備船なども展開するといい、実際の隻数はより増える可能性がある。

 防衛省は、作業船の航行に当たってはウミガメ類やジュゴンが頻繁に確認されている区域内を避け、衝突を回避するための見張りを励行するといった対応策を説明した。

 一方、海底に砂ぐいを打ち込む際などに使うサンドコンパクション船などの調達可能性について、防衛省は「地盤改良に必要な作業船の数以上の船舶が国内にあると確認した」と説明した。実際に工事に必要な隻数が確保できるかは「稼働状況を踏まえて確保する」と述べるにとどめた。

 日本自然保護協会などは新基地建設の一時中止と、再度の環境調査を求める要望書を防衛省側に手交した。