北里大学長に沖縄県出身の島袋氏 女性で初、看護学専門


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 島袋香子氏(北里大提供)

 沖縄県出身で琉球大学保健学部(現医学部保健学科)卒の島袋香子(きょうこ)氏(64)が7月、北里大学(東京)の学長に就任した。同大初の女性学長。同大は「近代医学の父」「細菌学の父」として知られ、2024年度から新1000円札の肖像画に採用される北里柴三郎を「学祖」とし、ノーベル医学生理学賞の大村智特別栄誉教授を輩出した。新型コロナウイルス感染症の治療薬開発にも取り組んでいる。

 島袋氏は1956年生まれ、79年琉球大卒。看護学博士。北里大学病院助産師、北里看護専門学校専任教員を経て、88年北里大学看護学部助手に着任。2008年教授、12年看護キャリア開発・研究センター長、14年看護学部長・看護学研究科長を経て学長に就任した。学長任期は24年6月30日までの4年間。

 同大は伝染病の治療や予防に尽力した北里柴三郎の功績にのっとり、新型コロナウイルス感染症(COVID―19)対策北里プロジェクトを実施している。大村氏が開発に貢献した抗寄生虫薬「イベルメクチン」の治験を開始したほか、市販の洗剤等の消毒効果測定の研究も注目を集めた。

 島袋氏は大学ホームページで「苦難な状況にあっても建学の精神である開拓、報恩、叡智(えいち)と実践、不撓不屈(ふとうふくつ)の精神に基づき、着実に歩みを進める」と、コロナ禍で大学の真価を発揮することを誓っている。