「字具志頭に誇りを」 八重瀬「ぐしちゃん字誌」刊行 区民24人、戦争体験証言


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新垣安弘町長(右から4人目)に「ぐしちゃん字誌」を贈呈した久保正雄区長(同3人目)と伊元正一委員長(同2人目)と與儀真幸事務局長(右端)ら=9月28日、八重瀬町役場

 【八重瀬】具志頭字誌編集委員会(伊元正一委員長)はこのほど、字具志頭の歴史、文化、沖縄戦体験者の証言などを収めた「ぐしちゃん字誌」を刊行した。9月28日、八重瀬町役場に新垣安弘町長や諸見里勲教育長らを訪ね、103冊を贈呈した。今後、町内の各学校の図書館などに配布される。伊元委員長は「各委員が一生懸命作った。子どもたちが字具志頭に愛着や誇りを持ってもらえたらうれしい」と述べた。

 字具志頭の成り立ちや風俗、文化などを記録にし、先人の足跡や功績を後世に伝えることを目指し2016年9月、具志頭字誌編集委員会が立ち上がった。約60人の委員を歴史、芸能、移民などテーマごとに1~10班に振り分け、資料収集や編集作業を進めた。

ぐしちゃん字誌

 全編カラーの894ページ。全15章で写真やイラストも多く使用され、子どもから高齢者まで読みやすい構成だ。

 中でも第12章第2節「区民の戦争体験」では24人の沖縄戦体験者が証言・手記を寄せ、そのほとんどが初めて証言するという歴史的価値の高い資料となっている。

 新垣町長は「貴重な資料だ。町内でも字誌を出版している所は少なく、今後の字誌作りの参考になっていくのではないか。編集委員の組織体制もすごい」と絶賛した。

 字具志頭の久保正雄区長は「委員だけでなく、多くの区民の協力があって完成した」と字誌に携わった人々に感謝した。

 「ぐしちゃん字誌」に関する問い合わせは具志頭公民館の(電話)098(998)5210。開館は平日午前10時~正午、午後1時~5時。土日祝日は休館。