加藤官房長官、普天間など視察「辺野古移転で早期返還」


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陸自多用途ヘリコプターUH60JAに乗り込む加藤勝信官房長官=10日午前、那覇基地

 沖縄基地負担軽減担当相を兼ねる加藤勝信官房長官は10日午前、自衛隊ヘリコプターに乗って上空から沖縄県内の米軍基地を視察した。終了後、報道陣に「普天間飛行場の固定化を避けなければならないと改めて感じた。唯一の解決策として名護市辺野古への移転を通じて一日も早い返還を目指す必要がある」と語った。

 10日夕には、辺野古新基地建設に反対を掲げて当選した玉城デニー知事との面談を控えているが、先立って辺野古移設推進の考え方を改めて示した形だ。

 加藤氏は9日から来県している。10日午前は陸上自衛隊の多用途ヘリコプターUH60JAで沖縄本島上空を回り、牧港補給地区(キャンプ・キンザー、浦添市)や普天間飛行場(宜野湾市)、嘉手納基地(嘉手納町など)、辺野古移設の作業を進めるキャンプ・シュワブ(名護市など)沿岸部を見た。

 米軍基地問題で政府に協力するか否かで、沖縄関係予算を増減させることについては「基地問題と振興策の額そのものを直接関連させる考え方は取っていない」と否定した。一方「基地負担軽減と返還跡地を使った沖縄振興に、総合的に取り組むのは当然の事だ」と「リンク論」を巡る政府の認識を改めて強調した。

 午後は玉城知事や名護、宜野湾の両市長らと面談する。加藤氏は「政府の考え方を改めて説明するとともに、皆さんからもしっかりと意見を聞かせてもらい、実りある視察と意見交換にしたい」と述べた。
【琉球新報電子版】