台湾之塔で戦没者悼む 平和基金会が慰霊顕彰祭


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台湾出身の戦没者を追悼した第8回慰霊顕彰祭=18日、糸満市の台湾之塔

 日本台湾平和基金会(愛知和男会長)は18日、台湾出身の戦没者を悼む第8回慰霊顕彰祭を糸満市の平和祈念公園にある台湾之塔で開いた。同会の西田健次郎理事長、台北駐日経済文化代表処那覇分処の范振國処長らが出席して慰霊し、双方の繁栄を願った。

 台湾之塔は、2016年に慰霊塔、18年に李登輝元総統が「為国作見證(公のために尽くす)」と揮毫(きごう)した慰霊碑が建立された。20年には碑の前の広場にコンクリートを敷き、参道を整備した。范処長は「さらに参拝しやすくなるよう協力したい」と語った。

 慰霊顕彰祭は例年6月に開催する。台湾での皆既日食と重なったため、皆既日食に大切な行事をしないという台湾の習慣に従い、延期していた。1945年まで日本が統治した台湾では、軍人・軍属約20万人が太平洋戦争に動員され、15%に当たる約3万人が命を失った。約1万5000人が行方不明で、平和の礎には34人が刻銘されている。