比嘉大吾がきょう移籍後初試合 バンタム級で再始動 計量クリア、仕上がり順調


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バンタム級での初戦を前に、計量をパスした元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾=25日、都内(Ambitionジム提供)

 世界ボクシング評議会(WBC)のフライ級元王者、比嘉大吾(宮古工高出―Ambition)の移籍後初となるバンタム級ノンタイトル10回戦が26日、東京都の後楽園ホールで行われる。25日に都内で行われた前日計量を53・4キロ(リミット53・52キロ)で一発クリアした比嘉は「しっかり勝っていきたい」と力強く意気込み、26日の試合に向け闘志を燃やした。比嘉の戦績は17戦16勝(16KO)1敗。

 主戦場をバンタム級に変えて、再び世界王者への挑戦へと駆け出した比嘉大吾。前日計量後のリモート記者会見では「階級の不自由さはない。良い状態で動けていて問題ない」と万全の様子。26日の試合を「世界王者を取る上での新たなスタート、通過点」と位置づけ、勝利を誓った。

 バンタム級初戦を旧知の堤聖也と迎える。距離を取りながら左右をスイッチする堤に対し、比嘉は「(苦手意識は)あまりない。フライ級からさらにパワーアップした自分が出せれば勝てる」と語る。持ち味でもある無尽蔵のスタミナと打ち合いを好むファイタースタイルに磨きをかけてきた比嘉にとって、勝利への確信は変わらないようだ。

 2018年4月に3度目のWBCフライ級王者防衛戦で体重超過による王座剝奪と活動停止処分。20年2月の復帰戦はKO勝利で飾ったが、モチベーションが上がらず一時はボクシングから離れることも考えた。だが、4月から信頼する野木丈司トレーナーのいる神奈川へ拠点を移し、ジムを移籍して迎える初戦。「練習環境やスタッフを含めすごく良い環境で、ボクシングだけに集中できる」と順調な仕上がりに満足げだ。

 バンタム級の頂点には、世界ボクシング協会(WBA)、国際ボクシング連盟(IBF)の統一王者、井上尚弥が君臨する。比嘉は「尚弥さんはずっと上の存在。まずは目の前の試合を勝ってできるだけ早くチャンピオンになる。なってからがスタートだ」と、26日の試合に向け意気込んだ。

 フライ級から2階級上げての初の試合。「もう一度ボクシングをやると決めた以上、世界チャンピオンにもう一度なりたい。その新たなスタートとなる(試合)」と位置づけ、再び世界王者を目指すことを力強く語った。

 26日のファイナルで登場し、日本バンタム級13位の堤聖也(角海老宝石)と10回戦を行う。比嘉はWBC同階級8位、世界ボクシング協会(WBA)同階級9位。

 旧知の仲だという両者は、アマチュアの高校時代に2度の対戦経験があり、当時は堤が2戦2勝した。

 セミファイナルでは、スーパーバンタム級8回戦で大湾硫斗(美来工科高出―Ambition)が岸根知也(ミツキ)と相まみえる。大湾は前日計量を55・1キロ(リミット55・34キロ)でクリアした。