沖縄の20年度観光客60%減、370万人見込み ビューロー、来年3月台湾便の再開目指す


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 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は28日、2020年度の入域観光客数が370万人になるとの予測を発表した。20年度の予測を明らかにしたのは初めてで、946万9200人が訪れた19年度より60・9%減となる。20年度下半期(10月~21年3月)については政府の旅行喚起策「Go To トラベル」の効果や修学旅行の実施状況を加味して、前年同期の7割弱まで戻る見込み。

 21年3月ごろに、感染状況が落ち着いている台湾との海外航空路線の運航再開を目指す方針も示した。今後、関係機関への要請に取り組む。再開した場合、同月の外国客数は3千人を見込む。クルーズ船の再開のめどは立っていない。
 国内客は10月に前年の5割、21年1月には9割まで戻ると見込んでいる。修学旅行については10月以降、少なくとも12校から2435人が来県しており、今後年度内に1003校の実施が予定されている。
 Go To トラベルに東京都が追加されて、回復の兆しが見えることから「潮目が変わりつつある」と認識している。予測はホテルや旅行社への聞き取りを基に算出した。
 OCVBは「憩うよ。沖縄プロジェクトアクション計画」を策定しており、沖縄への誘客プロモーションを実施していく。県外の鉄道や航空会社と連携して沖縄観光の広告を展開するほか、県外スポーツショップで「スポーツアイランド沖縄」をアピールする。
 那覇空港の水際対策については、国際線側のビルで実施する抗原検査を国内線側で実施する必要があることや、無症状患者が防げないことなど検査体制の見直しが課題となっている。
 OCVBの下地会長は「国内観光をなるべく早く戻し、国際観光は世界の流れを見ながら取り組んでいく」と話した。

国際通りを歩く観光客ら=2020年8月