戦争の爪跡「身近な所に」 中城村内の戦跡巡り、当時の状況を解説


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
中城村の戦跡ガイドツアーで161.8高地陣地を見上げる参加者ら=24日、同村北上原

 【中城】中城村は24、25の両日、村内の中城ハンタ道沿いの戦跡を巡るガイドツアーを行った。参加者は村文化財に指定される日本軍の161.8高地陣地などで戦時中の様子を想像し、戦争の悲劇を次世代に継承することを誓った。2日間で約40人が参加した。

 ハンタ道沿いには、1945年の沖縄戦が始まる直前に日本軍が築いた陣地や、住民が避難した壕といった戦跡が残っている。ツアーは戦跡ガイドブックとマップ作成に携わった中城村教育委員会の稲嶺航さんが主にガイドした。12地点の戦跡で戦争体験者の証言を紹介し、当時の状況を解説した。ツアーは中城城跡から始まり約4キロを歩き、北上原の161.8高地陣地で終了した。

 米軍が上陸した75年前と現在は地形や風景も変わっていたが、参加者は戦跡を一つ一つ巡り解説に熱心に耳を傾けた。稲嶺さんは、161.8高地陣地の交通壕を最後に紹介し「身近な場所にも沖縄戦の跡が残っている。戦争への理解が深まるきっかけになれば幸い」と願った。

 参加した中城中3年の照屋まつ里さん(15)は「現地で当時の様子を想像して考えることができた。良い経験になった」と話した。村の広報を見て参加した陣野原知行さん(24)=学芸員=は「当時の目線の説明で、様子が伝わった」と振り返った。