菅首相、沖縄の基地・振興「総合的に取り組む」 参院代表質問で「リンク」触れず


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菅義偉首相(資料写真)

 【東京】菅義偉首相は29日の参院代表質問で、基地の受け入れと沖縄振興策の「リンク論」について問われ「沖縄の発展のため、特に基地負担の軽減をはじめとする基地問題の対応と、返還された基地の跡地利用を含む沖縄振興策の推進を重要な政策課題と位置付け、総合的に取り組んでいる」と語った。「結果的にリンクする」という従来の表現は使わなかった。

 菅首相は「地元の声をしっかりうかがいながら、観光の再生、層の厚い各種産業の振興、基地跡地の利用を含め、国家戦略として沖縄振興策を総合的、積極的に進める」とも語り、引き続き沖縄振興に取り組む考えを示した。

 質問した福山哲郎氏(立憲民主党)は、沖縄振興が太平洋戦争の戦禍やその後の米統治といった歴史的事情を踏まえ「国の責務としてなされてきた」ものだと指摘した。沖縄関係予算や一括交付金を減額するやり方は「沖縄の自主性を尊重し、自立的発展、豊かな住民生活の実現を目的とする沖縄振興特別措置法の趣旨に反する」と疑問視した。