【特報】沖縄タイムス元社員を逮捕へ 給付金不正受給 詐欺容疑


この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明
沖縄タイムス本社=那覇市久茂地

 新型コロナウイルス感染拡大で収入が減少した個人事業者に、国から最大100万円が支給される持続化給付金の不正受給問題で、県警は13日にも、40代の沖縄タイムス元社員の男性を詐欺容疑で逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で12日、分かった。

 持続化給付金の不正受給を巡っては、全国で逮捕者が相次いでいる。県内での摘発は初めて。県内で発生したほかの不正受給事案についても、県警は慎重に捜査を進めており、それぞれ容疑が固まり次第、立件する方針だ。

 捜査関係者によると、元社員はこれまでの任意の調べに対して容疑を認めており、投資を巡る負債や住宅ローンなどの借入金の状況などを説明していた。県警は特別捜査本部を設置して、不正受給に関与したとみられる人物数百人規模の事情聴取を行っており、県内で横行する不正受給の全容解明を急いでいる。

 沖縄タイムス社のこれまでの発表などによると、元社員は持続化給付金100万円を不正受給したほか、新型コロナに関する緊急小口資金と総合支援資金の計80万円も不正に借り入れをしていた。

 元社員はタイムス社員ら3人にも不正受給の申請を紹介するなど、元社員を起点に40人程度が不正な申請に関与した可能性があるという。

 沖縄タイムス社は今年10月8日付で元社員を懲戒解雇処分とした。元社員は不正に受給・借り入れしていた180万円のうち80万円はすでに返還し、100万円については返還手続き中と説明していた。