最高齢の沖縄戦語り部、安里要江さん死去 映画「GAMA」原作 99歳


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自身の戦争体験の話をする安里要江さん=2016年8月18日、北中城村喜舎場

 県内最高齢の沖縄戦の語り部で、映画「GAMA 月桃の花」のモデルになった安里要江(あさと・としえ)さんが、12日午後10時33分、甲状腺がんのため、北中城村内の高齢者施設で死去した。99歳。北中城村出身。

 安里さんは沖縄戦で夫と2人の子どもを含め、親族11人を失った。1981年から語り部の活動を始め、約40年にわたって戦争の悲惨さを訴えてきた。

 旧県立女子工芸学校を卒業。沖縄戦中、家族とともに戦場を逃げ惑う中、家族や親族のほとんどを失い、避難していた糸満市の轟(とどろき)の壕では、生後9カ月の娘を亡くした。自身の体験を基にした著書「沖縄戦・ある母の記録」は、映画「GAMA 月桃の花」の原作となった。

 戦後は地域住民有志が立ち上げた北中城村の「喜舎場幼稚園」で、幼児教育に携わった。86年に北中城村議に初当選し、98年まで3期12年間務めた。第9条の会・沖縄うまんちゅの会の共同世話人代表も務め、反戦平和の活動に取り組んだ。

 98歳となった昨年5月、体調不良を理由に語り部の活動を終えていた。

 

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