沖縄県庁でクラスター 職員6人がコロナ感染 課内複数人で飲み会、一部は2次会も


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 沖縄県は16日、環境整備課の50代の男性職員が新型コロナウイルスに感染したと発表した。同課の職員の感染は6人目で、県は県内で27例目のクラスター(感染者集団)に認定した。県庁でのクラスター発生は初めて。県が飲食は4人以下とするよう県民に求める中、職員らは課長を含む6人で飲み会を開いており、対策の旗振り役となる県庁で感染を招く事態となった。 

 県によると、環境整備課の6人のうち5人は今月6日夜に那覇市内の飲食店で飲み会に参加した。課長も同席して感染した。一部は2次会に移動しており、保健所や県が詳細な行動履歴を調べている。飲み会に参加していない1人は職場内感染とみられ、県は県庁の課内でクラスターが発生したとの認識を示した。

 飲み会には5人のほかにもう1人いたが、症状は出ておらず今後、PCR検査を受ける予定という。県は同課の非常勤を含む職員22人全員のPCR検査を実施する。

 県は10月26日に感染防止対策の徹底を呼び掛ける「沖縄コロナ警報」を出し、飲食は5人未満かつ2時間以内の短時間とすることや、深酒・はしご酒などを控えるよう県民に注意喚起した。環境整備課を所管する県環境部の松田了部長は「4人以内の会食が守られず、大変重大なことだと受け止めている」とコメントした。

 県は16日、職員に対し全庁的に感染防止対策に取り組むよう求める通知を、総務部長名で出した。

 一連の感染やクラスター発生について、群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師(臨床疫学)は「行政のレピュテーションリスク(信頼や評判を落とす恐れ)となり、県民に徹底を呼び掛けた側としてアカウンタビリティー(説明し真摯(しんし)に行動する責任)が問われる」と指摘。換気のよくない室内で不特定多数が長時間、大声を出し合う状況は、感染リスクが高いとして「店側でも換気を十分に確保することや、人数制限をするなどの対策を取ってほしい」と強調した。