沖縄の米軍、過去最多の72人コロナ感染 海外から異動が多数 県内は32人【12月1日朝】


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供

 沖縄県は30日、国外から在沖米軍基地に異動してきた米兵ら72人が、新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。米軍関係の新規感染者では、1日当たりの発表数で過去最多となった。累計感染者数は564人。所属基地は「集計中」として明らかになっていない。県によると、米兵らは隔離期間中で県民との接触はなく、米軍は「クラスター(感染者集団)に当たらない」との見解を示しているという。県内の新規感染者は32人で、累計感染者数は4326人となった。 

 県によると、米軍の新規感染者は海外から沖縄に異動してきた米兵がほとんどで、2週間の隔離期間が解かれる前のPCR検査で判明した。米国では感染が再拡大しているが、異動してきた米兵が所属していた基地などの情報は提供されていないという。新規感染者のほか、5人の再感染も判明した。米軍の30日の検査数は466件だった。

 在沖米軍で7月に感染が広がった際は、基地在住の米兵らが独立記念日にビーチパーティーを開いたことが要因となった可能性が指摘された。在沖米海兵隊は普天間飛行場とキャンプ・ハンセンでクラスターが発生したとして、両基地をロックダウン(封鎖)した。

 今回は海外から異動してきた米兵らが隔離後の「検疫」で感染を確認したとしており、米側はクラスターとの見方を示していない。隔離施設で感染が広がった可能性もあるが、隔離中の基地、施設の情報は県側に提供されていない。

 県内の新規感染者32人のうち、接触による感染が推定されるのは24人、そのうち飲食・会食関係が9人、家族が8人、職場が4人、友人が1人、施設内が1人、確認中が1人。その他、調査中が8人。地域別は那覇市が12人と最も多く、次いで浦添市が7人、名護市が5人、沖縄市が2人、北部保健所管内、中部保健所管内、南部保健所管内、八重山保健所管内、豊見城市、糸満市でそれぞれ1人だった。

 カラオケのある那覇市の居酒屋を利用した客や従業員が感染したクラスターは1人増え、計12人となった。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は20.32人で全国4位だった。