2020年沖縄県内倒産27件 支援制度で件数、負債額は過去最少も今後は不透明


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 帝国データバンク沖縄支店は12日、2020年の県内企業倒産集計(負債1千万円以上、法的整理による倒産)を発表した。倒産件数は前年比30・8%減の27件、負債総額は同15・0%減の40億5600万円となった。

 倒産件数のうち新型コロナウイルス関連倒産は4件だった。

 国などによる新型コロナ対策の支援制度があったため、倒産件数は06年の集計開始以来の過去最少を記録した。負債総額も、大型倒産が少なかったことで過去最少だった。

 業種別の倒産件数は小売業とサービス業がそれぞれ8件の最多だった。主因別では販売不振が22件で8割超を占めた。

 20年12月は件数が前年同月比66・7%減の1件、負債総額は同17・8%減の8800万円だった。

 21年の見通しについて、同支店は「国や金融機関の支援で耐え忍んでいる企業も多いが、今後、資金繰りに窮する企業も一定数の発生が懸念される。倒産件数は上昇局面に転じる可能性もある」と分析した。

 20年12月の県内企業の景気DI(業況判断指数)は前月比1・9ポイント減の35・1となり、2カ月連続で悪化した。

 年末年始の「Go To トラベル」の停止影響で、県内企業の景気DIが全国順位28位まで下がった。11年9月に調査を始めて以降で最低となった。

 企業から「観光の落ち込みが建設業にも波及している。手持ち案件の終了後は低迷する可能性が高い」などの声があり、先行きの不透明感が強まっている。