「強力なハンマー打つべき状況」流行の入り口にある沖縄、専門家会議の高山医師が警鐘


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県内の感染状況について説明する高山義浩医師=14日、県庁(代表撮影)

 新型コロナウイルス感染症に関し、県の専門家会議の委員を務める県立中部病院の高山義浩医師は14日の記者会見で、正月や成人式があった連休中の影響が今後、顕在化するとの見通しを示した。
 「昨夏と同等の流行が起きてしまうと地域医療は持ちこたえられない。医療崩壊も見えてきている」と強い危機感を示した。コロナ以外の患者が使う一般病床が逼迫(ひっぱく)し、本島中部では一般病床(非コロナ)利用率が100%を超えた。 

 県内の新型コロナの療養者数は、最多を記録した「昨夏に迫る勢い」(高山医師)で増えている。例年、冬場は入院患者が増えて病床利用率が高まる傾向がある。新型コロナ患者の病床も確保する必要があることから、コロナを除く一般病床利用率は1月に入り上昇した。県全体で9割を超え、本島中部では14日、入院予定患者を含む一般病床利用率が102%となった。

高山医師によると、県内で今月6日に発症が確定した患者は91人おり、親族間の交流が活発化した正月に感染が広がったとみられる。日々の感染者に占める20代の人数は、1月に入って急増している。

 年末年始に渡航歴のある人から感染が広がるケースも相次いでいる。沖縄への渡航者そのものは減少しているが「本土で流行が広がり、一人一人の感染確率が上がっている」(高山医師)とみられる。

 高山医師は「沖縄が大きな流行の入り口にあり、特に若い人たちがいかに感染を広げないために協力してもらえるかが問われている」と警鐘を鳴らした。その上で「ちゅうちょなく、強力なハンマーを打つべき状況ではないか」と強力な感染防止対策の必要性や徹底を求めた。