【記者解説】「強い判断ありうる」若者の感染拡大に危機感 知事警告の背景は


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県民にコロナ感染防止を訴える玉城デニー知事。後方はオンラインで同席した高山義浩医師=14日

 玉城デニー知事は14日の臨時記者会見で、新型コロナウイルス感染症の流行が収まらなければ、今後、緊急事態宣言の要請を含めた「強い判断」をすることもありえると語った。会見には県立中部病院感染症内科の高山義浩医師も同席し、県内では特に若者の間での感染拡大が起こっていると指摘した。会見は県民へ向けた強い警告とみることができる。 (西銘研志郎)

 4~10日に県内で感染した人は計426人で、年代別に見ると最も多かったのは20代だった。県は正月休み中の飲み会の影響などとみており、成人式を終えた今後、さらなる感染拡大を懸念する。高山医師は、現在の県の状態が昨夏の感染流行前と似ていると語る。玉城知事は今後1週間の新規感染者数が最大800人ほどになるとの推計を示し、県民に対策への協力を強く呼び掛けた。

 ただ具体的な対策の呼び掛けでは、あいまいな点もあった。

 緊急事態宣言の対象地域として新たに大阪府など7府県が追加されたが、これらの地域との往来自粛について、会見冒頭に発表したコメントで言及はなかった。記者に質問され、ようやく「対象の地域は不要不急の渡航は自粛を求めるということなので、それに尽きる」とメッセージを発した。

 玉城知事は会見で、「あなたがやれば必ず食い止められる」と県民が一丸となった感染症対策の必要性を訴えた。そのためにも知事には明確な発信が求められている。