中止要請 言及せず 米軍機低空飛行 防衛相「訓練不可欠」


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岸防衛相(資料写真)

 【東京】国頭村の辺戸岬や金武町などで米空軍のMC130J特殊作戦機とみられる大型機の低空飛行が相次いで確認されたことについて、岸信夫防衛相は12日の閣議後会見で、これまで防衛省から米側へ日米合意の順守や「周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れた」と述べたが、低空飛行中止を要請するかどうかには言及しなかった。低空飛行の目撃が相次ぎ、県内の米軍提供区域内も含めて全てで低空飛行の中止を求める抗議決議と意見書を県議会が可決する見通しの中、政府の姿勢が問われそうだ。

 岸氏は飛行訓練自体は不可欠だとの認識を改めて示した。その上で「訓練に際してわが国の公共の安全に妥当な配慮を払って活動することが当然、前提だ」と強調した。4日に辺戸岬で確認された訓練に関して「合意を順守して訓練を行っている」との回答が米側からあったとした。1999年の日米合同委員会で、米軍機の飛行は国際民間航空機関(ICAO)や日本の航空法上の最低安全高度規定と同様の飛行行動規則を米軍が適用することで合意していると述べた。

 米軍機の低空飛行を巡っては、昨年12月と今年1月に慶良間諸島で実施したことが確認されている。県議会米軍基地関係特別委員会は1月14日、低空飛行に抗議するとともに、飛行を容認した岸氏の発言を「誠に遺憾だ」とした委員長声明を可決した。