カヌチャベイリゾート会長の白石武治(しらいし・たけはる)さんが26日、死去した。86歳。父・武八郎さんが設立した建設資材会社の白石商会を継ぎ、リゾートホテルや石油販売などのエネルギー、レンタカーなど多角的に事業を展開し白石グループを発展させた。
1934年生まれ。琉球大を中退し、19歳で単身アメリカに渡った。58年、武八郎さんに呼び戻されて24歳で帰国し、白石商会の代表に就任した。翌59年に自動車部品販売を始め、62年には賃貸アパートを建設して不動産事業に着手するなど事業を拡大した。64年に白石商会を法人化し、初代社長となった。
68年、那覇市安謝に県内初のオートガススタンドをオープンし、72年の日本復帰と同時に共同石油の特約店として油脂燃料の卸販売やオートガス、LPガス販売を開始した。
74年には那覇交通(現那覇バス)の社長に就任。77年にはレンタカー事業を始め、観光交通事業の発展に寄与した。
88年に、リゾートプロジェクト室を設立して本格的に観光事業に着手し、93年に名護市安部にカヌチャゴルフコースを、97年にはカヌチャベイホテル&ヴィラズをオープンした。2002年には、観光業への功績をたたえられ、第1回観光カリスマを受賞した。
12~17年に県老人クラブ連合会の会長を務めた。15年には本島北部の自然保護や地域経済の発展に向けて、NPO法人やんばる花街道観光協会を設立した。