イリオモテヤマネコの交通事故、22年ぶりゼロ コロナ下で交通量減り


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イリオモテヤマネコ(山城博明氏撮影)

 環境省西表自然保護官事務所によると、2020年に竹富町西表島で発生した国の特別天然記念物イリオモテヤマネコの交通事故件数はゼロだった。ゼロは1998年以来、22年ぶり。同事務所は「新型コロナウイルスの感染拡大で島内外の活動自粛が広がり、交通量が減った影響が大きい」と分析している。

 同事務所によると、イリオモテヤマネコを巻き込んだ交通事故の発生件数は、年ごとでばらつきがあるが、過去10年で見ると増加傾向にあった。発生した事故のほとんどでイリオモテヤマネコが死んでいた。同事務所は、20年の「発生ゼロ」はあくまで新型コロナの影響で交通量が減少し、事故リスクが減ったことが主な要因だと分析。同事務所の田中詩織さんは「コロナが収束すれば交通量は増えるだろう」と警鐘を鳴らした。