沖縄の警戒レベル最高に 「まん延防止」指定で 全市町村の時短、県民の移動自粛を呼び掛け


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「まん延防止等重点措置」に伴う県の対処方針について説明する玉城デニー知事=10日午後7時50分すぎ、県庁

 沖縄県は10日夕、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、県の警戒レベルを「第3段階(感染流行期)」から最高の「第4段階(感染まん延期)」に引き上げた。沖縄県が政府の「まん延防止等重点措置」の適用対象地域に指定されたことを受け、県の対処方針を決めた。本島9市を措置の適用指定地域とし、加えて、全市町村でも飲食店などの営業時間を午後8時までに短縮するよう要請する。酒類の提供は午後7時まで。期間は12日から5月5日。県民に対して、不要不急の外出や移動の自粛、県外や離島との不要不急の往来の自粛などを求める。玉城デニー知事は同日夜、県庁で記者会見して発表した。

 重点措置の適用対象地域は、那覇、浦添、宜野湾、沖縄、うるま、名護、糸満、南城、豊見城の9市。県は対象地域の飲食店などに対して時短営業を命令することができ、正当な理由がなく命令に応じない事業者には、過料の罰則を科すことができる。全期間中の時短要請に応じた飲食店などへの協力金は、中小企業には売り上げに応じて1日4万~10万円、大企業は1日最大20万円が支給される。9市以外の市町村では、全期間の時短要請に応じた事業者に一律96万円を支給する。4月1日から21日まで県内20市町村の飲食店などを対象とした時短要請は11日付で解除する。

 玉城知事は、新型コロナの感染再拡大に歯止めがかからない状況に「1月の緊急事態宣言発出時を上回っている」と危機感をあらわにした。沖縄県は3度目となった県独自の緊急事態宣言の2月28日の解除前に、同27日に警戒レベルを第4段階から第3段階に引き下げた。それからわずか6週間で再び第4段階に引き上げることになった。

 県は10日、新たに146人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。前日より15人増え、今月7日の155人に次いで3番目の多さになった。感染者数100人台は4日連続となっている。累計は10611人となった。直近1週間の人口10万人当たり新規感染者は53.95で、大阪府の56.54に次いで全国ワースト2位。

 県の警戒レベルを判断する7指標のうち、10日時点、5項目が第4段階の感染まん延期となり、療養者数は1178人、病床占有率は98%に膨らんでいる。感染経路不明な症例の割合も63・5%となり、第4段階に近づいている。