国内最大オオムカデの新種、143年ぶり確認 水中にも生息、沖縄北部など分布


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本島北部や久米島などに生息するリュウジンオオムカデ(琉球大学博物館提供)

 東京都立大学と法政大学などの研究グループは13日、沖縄本島北部などに生息するオオムカデが新種であることを確認したと発表した。琉球の故事にちなんで和名を「リュウジンオオムカデ」と付けた。国内でオオムカデの新種が見つかるのは143年ぶり。研究成果をまとめた論文が12日、動物分類学の学術誌「Zootaxa」に掲載された。

 リュウジンオオムカデは体長約20センチ・体幅2センチ、翡翠(ひすい)色の体色で、国内最大のムカデ。本島北部や久米島、西表・石垣島、渡嘉敷島、台湾の渓流などに生息している。陸地と水中にすむ「半水棲ムカデ」で、同様の生態のムカデはこれまで2例しか報告されていない。

リュウジンオオムカデの頭部(琉球大学博物館提供)

 同研究に琉球大学博物館や久米島ホタル館などが標本を提供し、遺伝子解析などから新種であることが確認された。研究グループは「沖縄の島々に未知の生物が数多く存在することを示している。これを機に生物多様性の保全につなげてほしい」と期待した。

 リュウジンオオムカデ(琉神大百足)の名前は、海にすむ竜神がムカデを恐れたという伝説にちなんだ。琉球王朝時代には、ムカデ旗とムカデを退治したニワトリの絵を船に掲げて航海の安全を祈ったという。

 研究グループによると、リュウジンオオムカデは毒を持っており、かまれると危険だという。成虫になるまでに5年以上かかると推定され、絶滅も強く危惧されていることから「採集・飼育を控え、遠くから見守ってほしい」としている。

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