うるま市長選 中村・照屋両陣営の選対本部長に聞く


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 【うるま】25日投開票のうるま市長選は、22日から三日攻防に突入する。前市議の中村正人氏(56)=自民、公明、会派おきなわ、無所属の会推薦=と、沖縄国際大名誉教授の照屋寛之氏(68)=共産、立民、社民、社大、新しい風・にぬふぁぶし推薦=の新人2氏が立候補し、一騎打ちとなった。両陣営の選対本部長に選挙戦の位置付けや手応えを聞いた。

 (左から)照屋守之氏、山内末子氏

中村陣営・照屋守之氏「貧困対策を継承、発展」

 Q:選挙戦への手応えはどうか。

 「手応えはかなり感じる。今回の市長選は新型コロナウイルス感染症の影響で、今までのような選挙戦が展開できず、初めての経験が多い。中村正人氏本人も感染対策を取りながら、支持を訴えてきた。その中村氏に対し、新型コロナ対策をしっかりやってほしいとの期待が高まっている」

 Q:選挙戦の位置付けや争点をどう考えるか。

 「島袋俊夫市長が3期12年取り組んできた市政の継承か刷新かを問う選挙だ。2市2町が合併し、うるま市が誕生してから16年がたった。失業率にも改善がみられ、貧困対策にも力を入れてきた。その島袋市政の取り組みを中村氏がさらに発展させていく」

 Q:若者や無党派層への取り込みは。

 「中村氏は市議時代、さまざまな分野の現場に出向いて市民の声を聞き、問題を拾い上げて解決に当たってきた。若さ、現場主義、フットワークの軽さの面で、若者から共感を得ていると感じる。選挙戦では、待機児童ゼロに向けた取り組みや、子どもの貧困対策プロジェクトチームの設置なども提案している」

 Q:有権者へアピールを。

 「中村氏は現場に出向き、若いのでかなり動く。方向性を示し、先頭にも立つ。周囲と協力し、物事を解決することができる。その点でリーダーシップがある。まさに今、コロナ禍の緊急事態の中でリーダーにふさわしい人物だと考える。情も深く、市民の期待に応えられる」

 

照屋陣営・山内末子氏「市民所得向上、第一に」

 Q:選挙戦への手応えはどうか。

 「これまで『市政を市民の元に』との思いで取り組んできたが、それがじわりじわりと市民に浸透している。とても手応えを感じる。『地方自治やまちづくりに詳しい照屋寛之氏に任せたい』との声が大変多い。コロナ禍の中、市民の命と暮らしを守るための支援策を打ち出しており、市民にとっても分かりやすい政策となった」

 Q:選挙戦の位置付けや争点をどう考えるか。

 「2市2町が合併し、うるま市が誕生してから今年で16年だ。発展してきたが、その陰で1人当たりの市民所得は県内40位だ。経済的に大変厳しい世帯が多い。個人間格差だけでなく、地域間格差も広がっている。市民所得の向上を第一に掲げながら、均衡ある発展につなげていく。それが争点の一つだ」

 Q:若者や無党派層への取り込みは。

 「照屋氏の教え子を中心とした若者が積極的に関わっている。大学教授時代のネットワークからも輪が広がっている。ラインのアカウントを作り、SNSも活用し、発信している」

 Q:有権者へアピールを。

 「照屋氏は大学で行政学と政治学の専門家として、全国の自治体を訪れ、現場を見て歩いてきた。相手候補との違いは、問題解決のための引き出しがたくさんあるということだ。これまでの実績や人柄で多くの人から慕われ、信頼されている人物だ。照屋氏は、これまで光の届かなかった人たちに光を当てていく」