沖縄で女性 IT人材育成へ ひとり親の就業支援 全国で1000人の実績


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沖縄で女性 IT人材育成へ ひとり親の就業支援 全国で1000人の実績
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 IT人材育成やコンピューターシステム開発を手掛ける、MAIA(マイア、東京、月田有香CEO=最高経営責任者)は5月にも沖縄県内で拠点を設置し、女性IT人材の育成に注力する。パソコンの定型作業を自動化する「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」のプログラム開発技術の習得を支援し、県内自治体や企業のRPA導入を推進する。

 2021年度の育成人数の目標を約120人とし、県内のシングルマザーの収入底上げや、テレワークの推進による子育て中の女性の再就業を支援する。

 月田氏は昨年末、恩納村での「ワーケーション」を通じて初めて沖縄に長期滞在した。「沖縄に対するイメージは青い海と空しかなかった。県民との交流を通して、沖縄が抱える社会的な課題なども多く学んだ」と振り返った。

 社会課題の中でも、特にシングルマザーや女性の低所得に着目した。女性経営者として、これまでも女性のキャリア育成に携わってきた月田氏は「社会問題を解決するには、女性に高単価の仕事を受注できるITの基本技術を習得させることが重要だ」と指摘する。

 マイアは17年に設立し、これまで全国で約千人の女性のRPA技術者を育ててきた。県内にも現在約5人がいるという。今後、沖縄市に事務所を設置し、事業展開に必要な従業員約5人を雇用する。

 県内でRPAの導入・活用の支援に必要なスキルを備えた女性エンジニアを育て、自治体や企業にRPA導入を推進していく。月田氏は「業務の効率化を図るにはRPAの導入が必要だ。特に県内の役所などでは単純作業がまだ多く残っており、残業も多いと聞いている」と語った。

(呉俐君)