米軍属女性暴行殺人から5年…今も減らない米軍犯罪、2020年は39件発生で横ばい


社会
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 2016年4月に本島中部をウオーキング中だった女性(20)が殺害された米軍属女性暴行殺人事件の発生から28日で5年を迎えた。毎年28日には女性の遺体が遺棄された恩納村の雑木林には多くの人が訪れ、花などを手向け冥福を祈っている。事件後も県内の米軍関係者による刑法犯摘発件数は2018年が31件、19年が32件、20年が39件とほぼ横ばいで推移している。

 事件は16年4月28日に発生。県警は同年5月19日に元海兵隊員で米軍属の男を死体遺棄容疑で逮捕した。6月には殺人と強姦致死の容疑で再逮捕し、18年9月には福岡高裁那覇支部で無期懲役が確定した。

 事件を巡って、日米両政府は17年1月、日米地位協定の米軍属の適用範囲を明確化する「補足協定」を締結した。県警の犯罪統計資料によると、ここ3年間の米軍関係者による刑法犯摘発件数は30件台で推移しているが、20年5月には米陸軍兵と米空軍属による両替店強盗事件、19年4月には北谷町桑江のアパートで米海兵隊所属の海軍兵が女性を殺害後に自殺する事件が発生するなど、凶悪事件は後を絶たない。 

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