「屈辱の日」も低空飛行 国頭・辺戸岬 復帰闘争碑の修復時


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刻字が新しく塗り替えられたばかりの祖国復帰闘争碑の上空を低空飛行する米空軍のMC130J特殊作戦機とみられる大型機=28日午後1時45分ごろ、国頭村の辺戸岬(長嶺晃太朗撮影)

 【国頭】国頭村辺戸岬の上空で28日、米空軍のMC130J特殊作戦機とみられる大型機が低空飛行している様子が確認された。1952年の同日は沖縄が米統治下に置かれた「屈辱の日」。現場では復帰運動に尽力した中頭青年団OB会らが「祖国復帰闘争碑」の刻字などの修復作業を終え、記念撮影などをしていた。メンバーらは「沖縄を差別するような行為だ」と非難の声を上げた。

 大型機は同日午後1時45分ごろ、東海岸方面から飛来し、数十メートル~100メートルの高度で辺戸岬の上空をかすめて西海岸方面に飛び去った。国頭村周辺では、大型機の低空飛行が相次いで目撃されている。村や村議会は住宅地上空などで飛行訓練をしないよう求めてきた。

 祖国復帰闘争碑の修復作業に長年携わる、上原一夫さん(85)は「県民が再三中止を求めてきた。来年で復帰50年になるが、沖縄を差別するような行為が繰り返されている」と眉をひそめた。同OB会の田場盛順さん(78)は「よりにもよって、このタイミングに低空飛行をするとは、あまりにもひどい」と訴えた。

 祖国復帰闘争碑は沖縄の復帰闘争の歴史を語る象徴として1976年4月に建てられた。これまで上原さんらが管理・修復をしてきたが、関係者の高齢化が進む。2013年には背面の説明板が消失する事案もあった。同OB会の東武さん(73)は「村などが復帰闘争を継承する場として碑を管理してほしい」と話した。