変異株2種、沖縄で勢力争い 感染力強い「N501Y」増加の懸念


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 沖縄県は8日、感染力の強い新型コロナウイルスの「N501Y」変異株を持たない県内の89人の検体を国立感染症研究所で調べた結果、ワクチンの効果が低下する可能性が指摘される「E484K」変異株が89人全てで見つかったと発表した。従来株はほとんどなくなり、ほぼ全てがN501YかE484Kの変異株に置き換わったことになるという。

新型コロナウイルスの変異株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 県の糸数公医療技監は、県内のウイルスの約6割がN501Y変異株で、残り約4割がE484K変異株となったとして「この2つ(の変異株)が、6割と4割と勢力争いをしている」との見方を示した。

 県は週2回、N501Y変異株の検査を実施しているが、それ以外の変異を見つけるために国立感染症研究所に毎月、検体を送って解析してもらっている。今回判明したのは、3月17日~4月20日に県内で採取された検体で、全て行政検査分。E484K変異株の累計は計195人となった。E484Kの由来は不明で、国による監視対象ではないが厚労省は注目すべき変異株として調査している。

 今後、E484Kから感染力の強いN501Y変異株に置き換わっていく可能性について、糸数医療技監は「理論上は感染力が強い方が増えていくというのは考えられる。N501Yの集団感染が起きて増えていく可能性もあるので、それが起きないように感染全体を抑えている」と述べ、新規感染者を抑えることが変異株対策に有効だと強調した。