杉田議員発言に市民ら「権力の乱用だ」 土地規制法案の廃案訴え


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新基地建設へ着々と埋め立てが進む辺野古沿岸部=19日午後、名護市の米軍キャンプ・シュワブ(小型無人機で撮影)

 【名護】米軍基地など安全保障上重要な施設周辺の土地利用を規制する土地規制法案の審議で、杉田水脈衆院議員(自民)が21日、名護市辺野古の新基地建設反対運動を名指しで取り締まるよう発言したことに対し、反対運動に参加してきた市民らは「国策に反対する人間を排除しようという権力側の思惑の現れで、廃案にすべきだ」など反発した。

 「日本は本当に民主主義国家か。思想や行動を監視し、排除しようとするのは戦前と一緒だ」。辺野古新基地建設の工事を止めようと名護市民が起こした訴訟の原告の一人、金城武政さん(64)は語気を強めた。「基地だけでなく原発や国会が重要施設と認定されたら、反対運動は簡単に排除されるだろう。権力の乱用につながり、国民の自由が奪われかねない。絶対に廃案にすべきだ」と強調した。

 沖縄平和サポートの稲葉博代表(70)は「米軍による騒音などの被害を無視し、それに抗議している人に非難の矛先を向けようとしている。本末転倒だ」とあきれる。「今日も危険なつり下げ訓練をやっていた。国民の代表なら、まずは住民の立場で考えてほしい」と訴えた。

 沖縄平和運動センターの山城博治議長は「辺野古新基地建設や宮古島のミサイル配備など、政府が進める計画に反対する人をマークし、思想調査を行うのは軍事政権と何ら変わらない。徹底した国会審議が必要だ」と述べた。

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