生活保護受給者への沖縄市の対応「違法」 那覇地裁、通院交通費は認めず


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 生活保護を受給する沖縄市の40代男性が、通院のための移送費(交通費)の支給申請に市側が対処しないのは違法だとして、市に対して交通費の支給などを求めた訴訟の判決で、那覇地裁は9日、市側が何の処分もしなかったことを違法だとした上で、支給についての請求は棄却した。

 山口和宏裁判長は判決理由で、交通費の給付は原則として事前の申請が必要だと指摘。2015年8月に男性が市側から制度の説明を受けたと認定し、昨年2月に行われた今回の申請は「事後申請が許容される要件を満たしていない」と判示した。生活保護法では例外的な場合でも申請日から30日以内に要否を決めて通知をしなければならないと定められているとも指摘。申請後、1年以上たっても市側が応答しないのは「違法と言うほかない」とした。

 沖縄市の担当者は「判決を精査し、今後の対応を検討する」と述べた。