沖縄工業高が写真甲子園で全国1位 「沖縄らしい温かみ」写す


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
「ファイナル公開審査会」に出品した8枚組作品の一コマ。タイトルは「なんくるないさー」(写真甲子園実行委員会提供)

 全国の高校生が写真の技術や感性を競う全国高校写真選手権大会「写真甲子園2021」で29日、県内から出場した沖縄工業高が、優勝にあたる北海道知事賞を受賞し、全国1位に輝いた。生徒たちは「写真を見た人が、沖縄らしい人の温かみや、暮らしの雰囲気を感じられるように」と撮影に挑んだ。全国1位の栄冠を手にし、「沖縄の魅力を写真を通して全国に伝えることができた」と喜んだ。

 今大会には、全国から479校の応募があった。そのうち18校が本戦に出場した。新型コロナウイルスの影響で、大会は昨年に引き続きオンラインでの開催となった。27日の「ファースト公開審査会」と、29日の「ファイナル公開審査会」の結果を総合して審査を実施した。

 「ファイナル」の課題テーマは「未来」。沖縄工業高からは仲嶺百合菜さん(17)=3年=、平良有理佳さん(17)=2年、小林沙樹さん(15)=1年=の3人が参加した。3人は「沖縄らしい人の温かみ」を写真に収めようと、「なんくるないさー」のタイトルを設定して撮影に臨んだ。仲嶺さんは「撮る前に15分ぐらいおしゃべりして、笑顔が出るようになってから写真を撮る」など工夫を凝らした。小林さんは、台風の強風に揺れる島バナナと、あおられる中年男性の写真を撮った。「風に立ち向かっているように見えた。カメラも強風に吹かれて大変だった」と振り返った。人見知りの平良さんは「緊張で震えて、私もぶれないようにするのが大変だった」と笑いつつ、「みんなすごく優しくて、笑顔を向けてくれた。そんな優しさや心地いい距離感が、写真から伝わったと思う」と話した。

「ファースト公開審査会」に出品した8枚組作品の一コマ。タイトルは「なんくるないさー」(写真甲子園実行委員会提供)