沖縄、妊婦のコロナ感染急増「ワクチン接種へ相談を」 感染で早産リスクも


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新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 沖縄県内で妊婦の新型コロナウイルス感染が急増している。県によると、7月1~10日の感染者は5人、11~20日は3人だったが、21~31日は26人に増えた。県は8月3日、妊婦とその家族に対し、不要不急の外出自粛や同居家族以外との会食自粛を徹底し、ワクチン接種について主治医に相談するよう呼び掛けた。

  新型コロナに感染した妊婦のお産は琉大病院と県立中部病院で受け入れている。琉大病院では新型コロナに感染した妊婦の病床が7床あるが、6床が埋まっている。

 コロナ感染者から生まれた赤ちゃんは濃厚接触者として、感染対策をした新生児集中治療室(NICU)で受け入れるが、琉大病院では2床中1床が埋まっている。琉大病院の金城忠嗣医師は「かなり逼迫(ひっぱく)している」と危機感を示す。

 新型コロナに感染した妊婦のお産の際、医師らは防護服などの準備に1~2時間を要する。容体が急変して緊急帝王切開が必要になったときに間に合わないため、琉大病院では元気なうちに帝王切開をすることにした。新型コロナに感染すると早産のリスクが高まるというデータもある。出産後、母親と赤ちゃんはしばらく隔離され、直接の面会はできない。

 金城医師は「家庭内感染が多いので、妊婦だけでなく家族も慎重に行動してほしい」と話した。

 日本産科婦人科学会などは「一般にワクチンを接種するメリットがデメリットを上回る」とし、接種の検討を呼び掛けている。

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