終戦記念日の靖国前、具志堅さんハンスト続行「戦没者に敬意を」 激戦地遺骨問題


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戦没者の遺骨が残る沖縄本島南部の土砂を辺野古新基地建設の埋め立てに使う計画の中止を訴えてハンストする具志堅隆松さん=15日、東京都千代田区

 【東京】終戦記念日の15日、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんは14日に続き、千代田区の日本武道館前でハンガーストライキを行った。政府の全国戦没者追悼式への出席者や靖国神社に参拝する戦没者遺族らに、戦没者の遺骨が残る本島南部地域の土砂を辺野古新基地建設の埋め立てに使う計画の中止を訴えた。

 14日から水とお茶だけで過ごしている具志堅さんは時より激しい雨が降る中、無言の呼び掛けを行った。具志堅さんは「多くの人が声を掛けてくれたが、この問題を知らなかったという人が多かった」と語り、遺骨問題を巡り沖縄との温度差があることを実感。その上で「一昨年はここでDNA鑑定をするよう訴えた。だが、防衛省は国家事業であるDNA鑑定と逆行するようなことをしようとしている。戦没者に敬意を示すこの日に本土の人たちにもこのことを知ってほしい」と強調した。

 この日は、具志堅さんの活動に賛同する人たちが横断幕を掲げ、計画中止を求めるビラを配布し賛同を呼び掛けた。千葉県から参加した田村広志さん(79)は出兵した父親が本島南部で戦死した。年に3、4回、来県し、具志堅さんとともに父親の遺骨をいまも探しているという。「当時3歳だった私は父の記憶がほとんどない。そんな私にとって遺骨は父が生きた証しである。防衛省の計画は遺族にとって遺骨を見つけ出す機会を失わせるものであり、許せない」と語った。