響かぬ太鼓、静かな旧盆 沖縄市 地謡だけで道ジュネー


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エイサーの歌・三線を奏でながら集落内を道ジュネーする久保田青年会の地謡ら(奥)=20日夜、沖縄市久保田(ジャン松元撮影)

 【沖縄】コロナ禍で旧盆初日のウンケー(お迎え)を迎えた20日、例年は県内各所で響くエイサーの太鼓の音はほとんど聞こえず、静かな旧盆を迎えた。「エイサーのまち」沖縄市でも青年会の多くが今年の道ジュネーを中止した。少しでも雰囲気を感じてもらおうと久保田青年会は少人数の地謡だけでエイサー節を歌い、集落を回った。住民は自宅のベランダなどから音色を楽しんだ。 

 久保田青年会は屋宜玲音(れおん)会長(22)と比嘉琳(りん)副会長(23)が先導し、大城慧之(けいし)さん(35)ら3人が「仲順流り」「久高万寿主」などを演奏した。大城さんは「せめて音だけでも届けることで地域の絆につながれば」と話した。

 道ジュネーを中止した園田青年会の澤岻幸一郎会長(29)は「医療従事者も頑張っている中で、エイサーが感染を招かないよう練習も見送った。収束したら代わりに何かできないか考えたい」と話した。

 山里青年会の鷲見航(すみわたる)会長(24)は「緊急事態宣言が延びる中で活動できず、メンバーや観客の安全を考えると旧盆エイサーは休むことにした。来年は道ジュネーをしたい」と話した。