コロナ疫学委人事「根拠が不明」「透明性を」 医師や調査団体が沖縄県に要請


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 新型コロナウイルスに関する沖縄県疫学統計・解析委員会について、県内外の医師や調査団体代表は8月31日までに、政策決定過程の透明性を担保するよう、県に文書で要請した。同委員会を知事直属に位置付け、県の医療アドバイザーを設けた対応について「根拠が不明だ。県行政の信頼のために一連の対応について説明が必要だ」と指摘している。

 文書は玉城デニー知事宛てで、群星沖縄臨床研修センターの徳田安春医師と世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問を務めた渋谷健司医師、調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)の河村雅美代表の3人が送った。3人は過去に疫学統計・解析委員会の資料や体制が不適切だとする意見書を発表。それを受け玉城知事は委員会を知事直属に位置付け、委員会の高山義浩医師を県の医療アドバイザーにする方針を示していた。要請文は県の対応について「公衆衛生政策で重要で県民が求めている政策決定過程の透明化と逆行する」と批判。(1)意見書の趣旨を関係部局に共有し委員会の問題に対処すること(2)委員会に関する情報開示(3)改組や人事について透明性を担保すること―などを求めた。

 3人は県の専門家会議の藤田次郎座長(琉球大学大学院教授)宛てにも、同会議の全面公開を求める要請文や過去の意見書を提出した。専門家会議は現在、報道機関向けに公開されているが、要請文は「部分的な情報では、議論を正確に知り得ない」と指摘した。