ワクチン接種、乳幼児検診の予約…全部LINEでOK 沖縄・与那原町が新サービス


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 【与那原】沖縄県与那原町は今年1月から無料通信アプリLINE(ライン)を活用した住民サービスを始めている。町の情報はもちろん、新型コロナウイルスワクチン接種や乳幼児検診の予約など、スマホ一つで簡単に手続きでき、住民からは「便利」との声が上がっている。町は「ラインでの住民サービスの充実化を図りたい」と意欲を示している。

学校の欠席連絡などができる与那原町のライン公式アカウント

 ラインの公式アカウントを担当するのは町総務課職員の臼井洋平さん(36)。「ラインは幅広い世代が利用するアプリなので、公式アカウントを作れば多くの住民が利用できると思い、取り組んだ」と語る。

 最初に取りかかったのは、公立学校の児童生徒の欠席連絡だった。学校ではこれまでメーリングサービスによる欠席確認を実施してきたが、メールアドレスを持っていない保護者も多く、電話での連絡対応が多かったという。臼井さんはアカウント内のメニューに欠席を設け、町のラインから直接各学校に欠席の連絡ができるようにした。「学校を通して保護者への利用促進を呼び掛けた。4月以降、保護者の多くがラインを使って欠席を届け出ている」と話す。

 5月に始まった新型コロナウイルスワクチン接種では、県内他市町村に先駆けてラインでの予約を開始した。町によると、ワクチンを接種した住民の半数以上が予約に活用した。「ラインでの予約と電話で予約する人を分けることによって、電話受付の回線が滞ることも少なかった」という。

 このほか、町の広報誌閲覧や町民アンケート、コロナワクチン接種の看護師募集なども実施している。

 町によると、公式アカウントの登録者数は7千人を超え、町全体の人口の約30%に上る。臼井さんは「これまで直接役場に行って手続きをするか、電話による対応が主だったが、ラインなどデジタルを利用すれば24時間手続きが可能だ。住民サービスの向上と同時に、職員の業務負担軽減にもつながり、ヒューマンエラーも防げる。今後は押印が不要な手続きを中心に、ラインでも住民のサービスができるように広げていきたい」と意気込んだ。

 (金城実倫)